風は青海を渡るのか? 森博嗣
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フォギーシリーズの完結編、ということでよろしいでしょうか。
近未来を舞台としたフィクションにおいて、音楽というものの境界についてフォギーさんと一緒に考えるスリリングな時間でした。
奥泉光さんの音楽の描写には、文字になった音楽をジャズ、クラシックを問わず聴きたくなってしまう魔力があります。
そんな魔力にかかってしまっても、以前だと我が家のCDラックにない演奏を聴くことはできませんでした。しかし今は、エリック・ドロフィーの「You Don't Know What Love is」が本書に登場したら、APPLE MUSICを検索して直ぐにリスニング。いい時代になったものです。
ただ、いつも言うことですが、圧縮音源を通して聴くことで、ドロフィーの演奏の大切なものが抜け落ちてないと良いのですが。くどくて、すみません。
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ツールの勝者とドーピングの問題となると「あの人」は避けて通れません。もっとも、ドーピングは「あの人」だけの問題ではありませんでしたが。
本書に登場する過去の世界的英雄は「あの人」が直接のモデルとなってはいませんが、どうしても「あの人」の姿が目に浮かびます。辛い。
登場人物それぞれが他人には見せることのない「スティグマータ」が、彼らの物語をどのように形作り、いかに変容させたのか。メネンコ自身の言葉で、彼の話を聞いてみたかったような気もします。
その時、何が見えて、どこを走っていたのかを。
いえいえ、そんな事を語らせたら本書の作りを損なってしまいます。どうしても、「あの人」に重ね合わせてしまうから、こんなつまらない事を考えてしまう。駄目ですね。
次作も期待しています。
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Nikon D600 SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
直前の更新は桜の季節でした。
気がつけば紫陽花の季節はとっくに過ぎ、梅雨が明けがいつになるかということに関心を向ける季節となっていました。
仕事を理由に更新が滞るのは良くないですね、反省しましょう。
さて、本年も遅々として読書ペースは上がりませんが、上半期も過ぎたのでこの辺りでネジを巻き直さないと。
キングを探せ 法月綸太郎
秘密と友情 春日武彦 穂村弘
僕の名はアラム ウィリアム・サローヤン
まなざしの記憶 鷲田清一
神様が殺してくれる 森博嗣
村上かるた うさぎおいしーフランス人 村上春樹
その女アレックス ピエール・ルメートル
悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル
地図と領土 ミシェル・ウェルベック
服従 ミシェル・ウェルベック
反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体 森本あんり
外務省に告ぐ 佐藤優
国家の罠 佐藤優
生のものと火を通したもの クロード・レヴィ=ストロース
レヴィ=ストロースと音楽 ジャン=ジャック・ナティエ
もののはずみ 堀江敏幸
同期 今野敏
それからはスープのことばかり考えて暮らした 吉田篤弘
ジャン=ジャック・ルソーと音楽 海老澤敏
羊と鋼の森 宮下奈都
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Wシリーズ、第二弾。まだまだ。これから、これから。浮遊工作室の予定によると、次作は6月とのこと。鶴首してお待ちしております。
あの人が、時間の制約すらも軽々と超越しても驚かないけど、そもそも「あの人」が「あの人」であることとは。
追記
精神の均衡も含めて「生命の限界」が話しの柱となっているWシリーズを読んでいますので、下記の記事、なかなか興味深く拝見しました。
WIRED
http://wired.jp/2013/07/30/blue-cells-of-death-mark-the-end-of-a-worms-life/
TEXT BY LUC HENRY
TRANSLATION BY MINORI YAGURA, HIROKO GOHARA/GALILEO
(前半部分を省略しています)
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のデイヴィッド・ジェムズらは、線虫の一種シー・エレガンス(学名:Caenorhabditis elegans)が死にゆく過程を顕微鏡で観察し、『PLOS Biology』誌に論文を発表した。
ジェムズ氏らは、紫外線を当てると死にかけているシー・エレガンスの内部が青色の蛍光を発することを発見した。研究チームが「death fluorescence(死の蛍光)」と名付けたこの光は、シー・エレガンスの細胞が壊死していくにつれて強くなり、死の瞬間に最大の光強度に達したあと、すぐに消えた。
この発見は驚くべきものだ。というのも、自然死しかけている線虫と、極端な暑さや寒さにさらされるなどのストレスが原因で死ぬ線虫、その両方で青色蛍光が観察されたからだ。
シー・エレガンスは体の一方から青色の光波を発し、この光波は死に至るまで腸に沿って伝播していった。この順序だった伝播は多細胞生物の個体において、一連の調整された「自滅」信号を通じて死が訪れる可能性があることを示唆している。
研究者らは青色蛍光の原因について、カルシウム信号に関連する生物学的経路が活性化され、最終的にはアントラニル酸と呼ばれる物質によって蛍光がもたらされることを発見した。青色蛍光のきっかけは、アントラニル酸が突然生成されたことではなく、アントラニル酸を閉じ込めていた細胞膜が壊死と同時に破れて、細胞内の酸性コンパートメントからアントラニル酸が放出されたことだった。
研究チームがカルシウム信号の経路を塞いだところ、ストレスが死の原因である場合には、細胞膜の破裂を遅らせることができた。だが、加齢による死の場合には破裂を遅らせることはできなかった。これは、加齢による死にはカルシウム信号だけでなく、ほかのプロセスも関係していることを示唆した。
この研究は、加齢による死が細胞レベルで損傷が積み重なった結果にすぎないという説に疑問を投げかけるものだ。生命が限界に達する時は、協調された作用によって決まっている可能性がある。
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気がつけば、師走の晦日。直近の更新は7月18日ということで、5ヶ月以上も放置していたとは。ものぐさ、ここに極まれり。
生きております。世のためになることはしていませんが、世のためにならないこともせず。
今年の後半は、なかなかに面白い時間を過ごすことができたと思います(当社比)。
そのおかげで、本に接する時間も増え、実に喜ばしい限り。
それぞれの感想は別の機会にということで、備忘録代わりに読んだ本の一覧を。
大学時代の先輩は一年で100冊読むとのことですが、僕はその半分にも及びません。
ふたりの距離の概算(米澤穂信)
黒猫 アッシャー家の崩壊(E.A.ポー)
氷菓(米澤穂信)
満願(米澤穂信)
狂気の西洋音楽史(椎名亮輔)
構造・神話・労働(C.レヴィ=ストロース)
玉ねぎの皮をむきながら(G.グラス 訳 依岡隆児)
ヴァン・ショーをあなたに(近藤史恵)
1913:20世紀の夏の季節(F.イリエス)
無意味の祝祭(M.クンデラ)
ドレミを選んだ日本人(千葉優子)
杉の柩(A.クリスティ)
ジヴェルニーの食卓(原田マハ)
匿名芸術家(青木淳悟)
カーテン(A.クリスティ)
錦繍(宮本輝)
蛍川・泥の川(宮本輝)
スクラップ・アンド・ビルド(羽田圭介)
火花(又吉直樹)
フルトヴェングラーとトーマス・マン ナチズムと芸術家(K.カンツォーク)
三千枚の金貨(上下)(宮本輝)
幻惑の死と使徒(森博嗣)
天国でまた会おう(P.ルメートル)
職業としての小説家(村上春樹)
ねじまき鳥クロニカル(1,2,3)(村上春樹)
パン屋を襲う(村上春樹)
私的読食録(角田光代 堀江敏幸)
ムシェ 小さな英雄の物語(K.ウリベ)
村上春樹 雑文集(村上春樹)
音楽嗜好症(ミュージコフィリア)(O.サックス)
反知性主義(森本あんり)
彼女は一人で歩くのか(森博嗣)
青柳いづみこのMERDE!日記(青柳いづみこ)
にょっ記(穂村弘)
秘密と友情(春日武彦 穂村弘)
もののはずみ(堀江敏幸)
キャッチャー・イン・ザ・ライ(J.D.サリンジャー 訳 村上春樹)
短歌ください(穂村弘)
熊の敷石(堀江敏幸)
正弦曲線(堀江敏幸)
失われた時を求めて(M.プルースト 編訳 角田光代 芳川泰久)
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