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2024年のコンサートを振り返って

2024年は、海外オケやオペラの公演に行くことはありませんでした。残念至極ですが、諸般の事情からやむを得ません。
今年に聴いたコンサートはいずれも素晴らしいものばかりでした。特に印象に残ったコンサートは、下記のとおりです(順不同)

大阪フィルハーモニー交響楽団、E.インバル、マーラー:交響曲第10番(フェスティバルホール)
非常に見通しがよい演奏。都響がインバルでマーラーのチクルスを始めるとのことですが、マエストロがこれだけお元気だったら大丈夫でしょう。

大阪フィルハーモニー交響楽団、井上道義、ティホミーロフ、オルフェイ・ドレンガル、ショスタコーヴィチ:交響曲第13番他(フェスティバルホール)
歴史的名演。音楽の作りはあくまでも緻密、丁寧で、荒っぽいところは皆無。それでいて、鬼気迫る迫力を備えた稀有な演奏。独唱、合唱も素晴らしい。CD化されるのはN響との録音だとは思いますが、大フィルの演奏もCD化されることを切望。

日本フィルハーモニー交響楽団、A.リープライヒ、辻彩奈、三善晃:魁響の譜、シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番、シューマン:交響曲第3番(サントリーホール)
シマノフスキが絶美。オケ、ソロともに本当に素晴らしかった。この録音が世に出ないのは、罪ではないか。テレビマンユニオンで、再度視聴できるようにしてもらえませんでしょうか。
シューマンも、生気に溢れた名演。リープライヒ、辻彩奈という素晴らしい音楽家に出会えたことに心から感謝する。

東京都交響楽団、大野和士、ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(新国立劇場)
直前での歌手の交代はあったものの、大変素晴らしい公演。演出も簡素でありながら実に美しく、ワーグナーの世界を満喫。
藤村さんのブランゲーネ、最高でした。

京都市交響楽団、鈴木雅明、ジョシュア・ブラウン、モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザーク:交響曲第6番(リーデンローズ)
ジョシュア・ブラウンのヴァイオリンに圧倒される。なんという美しさ。ベートーヴェンの協奏曲をこれだけ聴かせてくれるヴァイオリニストに出会ったことがない。
ドヴォルザークは熱気あふれる演奏。初めての6番の実演で、これほどまでに素晴らしい演奏に接することができるとは。
鈴木雅明さんの指揮は明確で、声部の扱いが実に巧み。

上記以外で、大いに感銘を受けたコンサートも多数(順不同)。
京響・沖澤:フレンチプログラム(リーデンローズ)
広響・下野:ブルックナー8番(HBGホール)
群響・飯森:ブルックナー9番(サントリーホール)
広響・アルミンク:アルプス交響曲(HBGホール、リーデンローズ)
広響・アルミンク:タラス・ブーリバ(プラバホール)
広響・アルミンク・アルゲリッチ:プロコフィエフPf協3(HBGホール)
広響・沼尻・安保・三界:ブルッフ二重協奏曲(フェニックスホール)
京響・井上・クニャーゼフ:ショスタコーヴィチ2番、チェロ協奏曲1番、2番(リーデンローズ)
広響・ヴェンディッティ ・服部:ショスタコーヴィチヴァイオリン協奏曲2番(HBGホール)
広響・アルミンク:マーラー2番(HBGホール)
広響・メルクル:ブルックナー9番(HBGホール)
広響・アルミンク・五十嵐:コルンゴルト左手協奏曲(アステールプラザ)
広響・アルミンク:マルティヌー6番(HBGホール)
ひろしまオペラルネサンス:プッチーニ「修道女アンジェリカ」、「ジャンニ・スキッキ」(アステールプラザ)

素晴らしい演奏を届けてくださったマエストロ、オーケストラ、ソリスト、合唱、そして演奏会の実現に奔走なさった事務局の皆様方に深甚なる感謝を。

みなさまにとって、2025年が素晴らしい年となりますように。

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