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第446回定期演奏会 2024年11月27日(水) 広島文化学園HBGホール

第446回定期演奏会 2024年11月27日(水) 広島文化学園HBGホール 18:45開演

指揮:クリスティアン・アルミンク
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ
広島交響楽団

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
マルティヌー:交響曲第6番 H.343「交響的幻想曲」


11月27日の広島交響楽団第446回定期演奏会、マルティヌーの名演に心奪われました。
リハーサルでマエストロが指摘していたPiu Allegroからのリズミックな箇所と、Poco Menoからの柔らかな音色の対比は素晴らしかった。
1楽章の北田さんのヴァイオリン・ソロ、完璧でした。最大限の賛辞を心から捧げます。

2楽章、ヴィオラの主題から始まりチェロが絡んだ後2ndヴァイオリンとヴィオラが内声を、1stヴァイオリンとチェロが一緒にメロディーを奏で、曲の進行とともに別のメロディーに分離していく箇所は本当に美しく、鳥肌もの。マエストロが設定した落ち着いたテンポだと、美しさが際立ちます。
トロンボーンのコラール後にpで奏でる弦のリズムも明確で、実に素晴らしかった!
アインザッツを揃えにくい箇所が頻発するので、1楽章からマエストロはそれはそれは丁寧に合図を出していました。それだけに、2楽章の某パートの飛び出しが本当に惜しかったです。本当に、些末なことですが・・・。
言い換えれば、それ以外はパーフェクト(だったと思います)。

3楽章冒頭トゥッティのコントラバスの絶妙の間合い、オケのサウンドは最高。チェロに始まる叙情的な旋律の美しさ!Poco vivo前でコントラバスがfで楔のように打ち込む力強い響き、素晴らしかったです。
ヴィオラ、チェロの大活躍は言うまでもなく、2ndヴァイオリンの内声の動きも明瞭で素晴らしかった。コントラバスも太い音でがっちりとオケを支えていて、最高でした。

フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットの見せ場多数で、いずれもブラヴォー。特にファゴットのソロは本当に素晴らしかったです。ブラヴィッシモ!
トランペット、ホルンは全体のサウンドに調和しながらも、アクセントとなる箇所はきっちりと決めていて全体が引き締まりました。トロンボーンのコラールの美しさ、チューバの安定感も素晴らしかったです。
マエストロの明確な棒に応え、いずれのパートも誠意を込めて演奏している様が会場に伝わってきました。
ハンガリー舞曲1番をアンコールで演奏したからか、パートごとの立礼がなかったのは少々残念でしたが、皆さん本当に素晴らしかったです。

初演者ミュンシュとボストン響の鮮烈(強烈?)な演奏は一つの極点でしょうが、多様な演奏スタイルを許容する名曲だと改めて実感。
洗練と熱気を同居させつつ粗野な響きにならないスタイルは、マエストロ・アルミンクの素晴らしさだと思いました。
4月の「タラス・ブーリバ」も素晴らしかったですし、ヤナーチェク、マルティヌーに対するマエストロの強い思いを感じました。
マエストロ在任中に、ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画、オラトリオ「ギルガメッシュ」などを是非とも聴いてみたいです!

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シン・ディスカバリー・シリーズ 《ふたりのヴォルフガング Mozart & Korngold》 第3回

シン・ディスカバリー・シリーズ 《ふたりのヴォルフガング Mozart & Korngold》 第3回
2024年11月22日(金) 18:45開演 JMSアステールプラザ大ホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
ピアノ:五十嵐薫子
広島交響楽団

コルンゴルト:交響組曲「ロビンフッドの冒険」
コルンゴルト:左手のためのピアノ協奏曲嬰ハ調作品17
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543


広響の今回のディスカバリーシリーズ、出演予定だった萩原麻未さんの体調不良によりキャンセルなさりました。これからの日々、どうぞお健やかにお過ごしください。
そして、急遽の出演をお引き受けになった五十嵐薫子さんに心からの敬意を捧げます。

「ロビンフッドの冒険」はコルンゴルトの面目躍如の佳曲。
オーケストレーションは手が込んでいながらも、一聴して分かりやすく華やかな曲に仕上げる技は、さすがコルンゴルト。
TpとHr、ブラボー!今日のメンバー表を確認すると、都響の岸上さん。
Tpは我らが金井さん。素晴らしい!

今日のマエストロの解説、実は今夜の白眉ではないでしょうか。
アンシュルス直前のウィーンを離れるきっかけとなったのが、今日の一曲目の「ロビンフッドの冒険」作曲に繋がるのエピソード。感慨深いものがありました。
次回のコンサートでのマエストロの解説も、楽しみにしています。

個人的な今夜のメインは、左手のためのピアノ協奏曲。
冒頭から複雑なリズムを正確に決めてくるピアノに脱帽です。オケとの複雑な絡みもパーフェクト。微細な楽器の使い方を目の当たりにして、なる程と納得する箇所多数。マエストロをして「選曲を後悔した」と言わしめた理由が分かりました。これは難曲です。
話しはそれますが、ヴィトゲンシュタインはラヴェルの「左手」を勝手に改編して弾いたり、プロコフィエフの4番を弾かなかったのはテクニックに難があったからと言われたりすることがありますが、この曲は気に入って弾いていたようなので、単なる「技術不足」という訳ではないのかも。余談でした。
「左手」、調を揺蕩うように推移する中間部での短いカデンツァが絶美。
コーダから畳み掛けるように終結する箇所でのオーケストラとの掛け合い、もっと響きの良いホールで聴きたかった!!
この難曲を見事に弾き切った五十嵐さんと、全力で協演した広響、マエストロに心からの拍手喝采を!!

休憩を挟んで、モーツァルトK.543。
10型。2分の2を意識したアダージョの序奏の後のホルンの素晴らしいアンサンブルに耳を惹かれます。やはりホルンが上手いとこの曲は映えますね。
微妙なニュアンスに富んだ演奏、全てのパートにブラヴォーを。

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2024.11.17(日) オーケストラ福山定期第4回 (福山リーデンローズ大ホール)

2024年11月17日(日) 16時00分開演 福山リーデンローズ大ホール

鈴木 雅明(指揮)
ジョシュア・ブラウン(ヴァイオリン)※
京都市交響楽団(管弦楽)

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61※
ドヴォルザーク:交響曲第6番ニ長調Op.60

 

オーケストラ福山定期第4回、今日も京響は実に素晴らしかった!

ドン・ジョヴァンニでは引き締まった響きが好印象。

ベートーヴェンのVn協奏曲は、表情豊かなジョシュア・ブラウンの独奏が最高でした。
ソット・ヴォーチェのニュアンスに痺れます。ベートーヴェンの長調の素晴らしさを心から堪能。
ソロに寄り添うオケも素晴らしい。ホルン、ブラヴォー!
僕らの世代だとジョシュアといえばベルでしたが、新しい世代のブラウンの素晴らしさを銘記。今夜はこの協奏曲を聴けただけでも大満足と、前半終了。

休憩後のドヴォルザーク6番は、何と生命力溢れる名演!京響と鈴木先生の紡ぎ出す音楽に圧倒されっぱなし。こちらもホルン隊、ブラヴィー!
鈴木先生の指揮はフレーズの処理が実に明確で、多声部を実に魅力的に聴かせてくれます。これはバッハの演奏で磨き上げたものなのでしょうか。
6番の実演は初めてでしたが、こんな素晴らしい演奏に接する事ができ、本当に幸せ。

ホールの美しい響きも、今日の演奏の立役者の一人なんでしょうね。広島市に連れて帰りたい。

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2024.11.03 音楽の花束 広島交響楽団 (広島国際会議場大ホール)

2024年11月3日(日・祝)  広島国際会議場フェニックスホール 15:00開演

指揮:徳永二男
ヴァイオリン:前田妃奈*
ハープ:早川りさこ*
ナビゲーター:假屋崎省吾

ベートーヴェン:「コリオラン」序曲作品62
ブルッフ:スコットランド幻想曲作品46*
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」

 

2022年に関西フィルとのブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いて前田妃奈さんのヴァイオリンに魅了され、本日の演奏会で前田さんの演奏を聴くことができることを楽しみにしていました。
ブラームスの時は骨太で力強い表現が印象的でしたが、今日のスコットランド幻想曲では細やかなニュアンスに満ちたヴァイオリンが実に素晴らしかった。

ベートーヴェンでは、コントラバスの厚い音がオーケストラ全体のサウンドを支え、大変充実した響きに感銘を受けました。
最近は歴史的知識に基づく演奏に接する機会が多い「運命」ですが、本日の演奏のようなモダンな演奏もやはりいいものだと改めて実感しました。
徳永先生のヴァイオリン独奏をアンコールで聴くことができ、幸せなひとときを過ごすことができました。

ブルッフの協奏曲をプログラムに据え、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの有名曲を聴くことができる今年の音楽の花束シリーズのプログラム構成は、本当に素晴らしい。
ブルッフの二重協奏曲で広響の首席の素晴らしい独奏を聴くことができたのも、とても嬉しかったです。

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