φは壊れたね (森博嗣)
この夏の読書、メインはなかなか読了できないままなので、それ以外の本の記録を。
一冊、一冊と少しずつ読み進めている森博嗣さんのシリーズ。遅々とした歩みですが、ようやくGシリーズに到達。亀のような遅さです、なんて言うと亀から不服が出るかも。もっと、僕は早く移動していると。
観察された事象からその事件の結果に至る可能性の糸を手繰り、到達する一つの可能性。お見事だと思います。
「不自然さ」がキーワードとなる、本作。冒頭で交わされる登場人物の会話のぎこちなさの理由が分かると、なるほど、そうだったのか。
「どうやって」にフォーカスし、「なぜ」の部分をふわりと読者に投げかけて終わる本作。こうしたミステリィもいいですね。
ヴィトゲンシュタインの一節の引用、幕前の口上のようで、効果的でした。
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