世界でいちばん貧しくて美しいオーケストラ (トリシア・タンストール 訳 原賀 真紀子)
山口県立山口図書館には、読みたくても手に取る事ができなかった音楽関係の本が多数。ここで出会った本のうちに手許に置いておきたい本が見つかれば、書店へ。我が家の小さな書棚には並べられる本の数なんてたかがしれていますし、本を買う原資にも限りがありますので、図書館の存在は本当にありがたいものです。
ベネズエラにおける「奇跡」が世界に与えたインパクトは非常に強烈でしたが、その源についての情報は希薄な状態が続いていました。しかし、本書を始めとする書籍や、テレビ等を通じてその実態がかなり知られるようになってきたのではないでしょうか。
音楽に対する愚直なまでのアブレウ氏の信頼と愛情、強靭な意思と、多くの人を巻き込んだ並外れた行動力によって結実した「エル・システマ」という奇跡は、音楽の力に対する信をより強固にするという力を持つものであり、「奇跡」の本来的な効果と非常に近いものであることは興味深いものです。
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