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2012年12月21日 (金)

フランス組曲 (イレーネ・ネミロフスキー)

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「フランス組曲」というタイトルにバッハやミヨーの曲を想起し、本の装丁に魅かれて手に取った本書。1942年にアウシュビッツで命を落とした作家の遺稿が近年になって発見され、フランスをはじめとして各国で出版され評判となっているとのことです。

1940年6月、ドイツ軍の入城前夜のパリに生きる人々の描写に始まり、生と死が入り乱れ、混乱のさなかにあって人間性が露わになってくる登場人物たちに引きずり込まれたのが、第一部「6月の嵐」。
第二部は、ドイツ占領下の郊外の街を舞台にした「ドルチェ」。占領者側と被占領者という圧倒的な立場の違いの下で、日常的な交流によって生じる互いへの興味のありよう、人々の感情の変化の丁寧な描写。これは、翻訳された方のお力にも負うところは大きいのだと思いますが、リズム感を感じられる文章のおかげで、この大部を一気に読むことができました。

本書の作者のように才能あふれた作家や芸術家も含め、数えきれない市井の人々の生活を破壊し、命を不条理に奪い去ってしまう時代は、70年前に確かにそこにあったのです。そしてその悲劇は、場所と形こそ変わっても、今でも地球上に存在し続けているのです。



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