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ボエーム(2012年 ザルツブルク音楽祭から)

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先日NHK-BSで放送された、2012年のザルツブルク音楽祭のボエーム。8月1日のプレミエを放送していたようですね。
今年のプログラムの中では、「ナクソス島のアリアドネ」、「魔笛」、ツィンマーマンの「兵士たち」が気になります。
去年は「マクロプロス事件」を放送してくれたNHKのこと、「兵士たち」を放送してくれないものかと、期待しているのですが・・・。

さて、ボエーム。魅力的な独唱、二重唱を堪能できる青春劇の名作。今、自分が20代だったとしてこの演出を見たら、随分と共感できるものがあったでしょう。ただ、青春は振り返って眺めるものでしかなくなった僕にとっては、その演出の設定は「今」であるよりも「過去」の時代であることの方が、じわりと心に沁みます。
もっとも、これはあくまでも僕の個人的な問題。ロドルフォが映像作家、マルチェッロがスプレーアーティストとなっても、若者のときめき、苦悩は今も昔も変わりません。

ネトレプコはお針子というよりは(以下自粛)、・・・お美しい方だと思います。
少し翳りのあるネトレプコの声は、従来のミミの声に求められるものとは違うことは承知の上でのことでしょう。最初は目も耳も軽い違和感を覚えていましたが、時間の経過とともにネトレプコに魅入られていったことは、正直に告白しなくては・・・。さすが、世界のディーヴァ!

そして、ベチャワ。髭を生やして(付け髭?)眼鏡をかけ、少し痩せたその姿は、ジョニー・デップのよう。
圧倒的な声の威力を誇るというより、芝居に合わせて細やかに歌の表情を付けるので、ロドルフォにはいいですね。
最初は線が細い声だなと思っていましたが、ミミとの二重唱の頃にはそんなことも忘れていました。

そして、ムゼッタ!マチャイゼの歌唱は、お見事。この役に人を得ないと、このオペラは締まりませんからね。

劇の進行を引き締めていたガッティにウィーンフィル。実はこの日の主役は、オーケストラピット内のこの両者だったのかもしれません。全4幕、あっという間の2時間でした。



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