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2011年11月15日 (火)

スターバト・マーテル (ティツィアーノ・スカルパ)

PB057541
PEN E-P1  M.ZUIKO17mm

Stabat mater、悲しみの聖母。
多くの作曲家が、我が子が磔刑にあった母の悲しみの詩に、悲哀に満ちた美しい曲を付けています。
よく知られるものとしては、16世紀のジョスカン・デ・プレに始まり、スカルラッティ、ペルゴレージ、ハイドン、ロッシーニ、ドヴォルザークと、ルネサンス、古典からロマン派を経て、近代、現代では、シマノフスキ、ペンデレツキ。
そして、この小説の登場人物である、赤毛の司祭、アントニオ・ヴィヴァルディもその一人。

チェチーリアという、音楽の守護聖人と同じ名を付けられた主人公。
母の不存の闇の深さと、自らの存在。死と、生。
引退直前の司祭と、赴任したばかりの司祭の音楽。
対置されるもののコントラストの強さ、それらの距離の遠近。
そして、母に対する少女の語りがけの言葉の落ち着く先は見つからず、夜ごと書き留められる少女の手紙の中で浮遊する。
しかし、あるシスターの計らいと、新任の赤毛の音楽司祭の出会いにより、少女の人生の歯車はかたりと動きはじめる。
エンディングは誕生のメタファーとして、仄かな明るさの中で、解決和音が静かに響く。

死以外の理由で我が子との別離を余儀なくされた母達の想いが、ピエタ慈善院の奥深くに眠っていることを、司祭のヴィヴァルディも知っていたのではないか。
ヴィヴァルディのスターバト・マーテルは、十字架を背負い息絶えた子の母のためだけでなく、そうした悲しみを抱えた全ての母達への捧げものなのかもしれない。

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