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たまには、真面目なお話しを

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GX100

無灯火、車道の逆送、信号無視、急な割り込み、車道の高速走行。
交通法規を守らず、円滑な交通の妨げとなっている自転車乗りがいるために、多くの人が迷惑をこうむり、危険にさらされていることは、本当に残念で、極めて深刻な事態です。
自転車も交通社会の構成要素である以上、社会の規範、定められたルールに沿って走らなければならないという事は言うまでもありません。自転車を愛好する人であれば、なおのこと。
自分もそうした自転車に遭遇すると、腹立たしいやら、同じ自転車乗りとして恥ずかしいやら・・・。

そうした中で、色々な立場の方から自転車についての話が聞こえてきます。
7月31日付けの朝日新聞系のWEBに掲載された記事も、そうした一つ。

筆者は、自転車に乗る人を「自転車に強い思い入れがある、スポーツサイクルに乗る人々=シリアスサイクリスト」と「気軽な自転車ユーザー=カジュアルサイクリスト」に二分し、「シリアスサイクリスト」から様々な提言がなされているものの、その提言には、圧倒的多数の「カジュアルサイクリスト」の姿が見えないと総括。「シリアスサイクリスト」からなされる多くの提言は、圧倒的多数の「カジュアルサイクリスト」の存在を軽視、無視、敵視しているとのこと。ある集団を二分し、互いを反目させる論調にしびれます。こうした議論の仕方は、洋の東西を問わず、歴史に例を求めるまでもなく、ある、ある。
そもそも、この二分の論拠はなんでしょう?「シリアスサイクリスト」が「カジュアルサイクリスト」を軽んじた提言というものを寡聞にして存じ上げないのですが、そうした言説があるとは驚きです。

筆者は、「シリアスサイクリスト」の言説の代表者として、疋田 智(ひきた さとし)氏を取り上げます。いかにも、彼は「カジュアルサイクリスト」を軽視、無視、敵視する集団の代弁者かのように。
しかし、これは疋田氏の著作を読んだことのある方であれば、この取扱いには違和感を覚えるのではないでしょうか。
疋田氏の主張は、実にシンプル。「自転車は車両。自転車を車両として正しく認知し、その利便性、危険性を認識した上で、社会設計がなされるべき。乗る人は、自転車は車両の一員であることを自覚し、交通のルール、規範に従う。そうして、社会が自転車の素晴らしさを享受できればいいですよね。」というもの。
そこには、「ママチャリ」軽視の姿勢、ましてや無視や敵視だなんて、どこにも、ありません。
ごく少数の「シリアスサイクリスト」の、大多数の「カジュアルサイクリスト」に対する「敵対的な」姿勢を前提に進める、この論。疋田氏を引き合いに出したのはかえって、筆者にとってはマイナスだったように思うのですが、いかがだったのでしょうか。

そうそう、この筆者は経営学のセンセイだったんですね。華麗な論の展開に目まいを覚えて、見落としていました。
センセイにおかれましては、もう少し真面目に自転車について考えていただければと存じあげます。

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自転車」カテゴリの記事

コメント

3ない運動で、高校生を交通社会から締め出した朝日だからじゃない?

こんな社説で世論をリードしてるって勘違いが、あの新聞にはありますからね。

投稿: trz-xx | 2011年8月 2日 (火) 21時23分

最初から結論ありきで、実践もせずデーターを並べただけの論法。
最後に、疋田 智 氏の著書を紹介してあるが
本当に読んでの感想なんでしょうかね。

投稿: Clark | 2011年8月 3日 (水) 05時39分

>trz-xx さん
うーん、どういった意図を持ってこの記事を出してきたのかよく分かりませんが、
いずれにしても、話の進め方が何とも稚拙で、いただけませんねー。

投稿: Mario | 2011年8月 4日 (木) 06時40分

>Clark さん
あれだけ煽っておいて、最後の3つのあの提言とは噴飯ものでした・・・。
こんな言説を発表したら、あのセンセイの職場でのお立場が
悪くなるんじゃないかと、ちょっと心配になりました。
世の中、本当に色々な方がいらっしゃるのだと、改めていい勉強になりました。

投稿: Mario | 2011年8月 4日 (木) 06時43分

この朝日新聞のコラムが何を言いたいのかさっぱり分からないし、さすが朝日新聞といった内容ですね。
それからこれを書いた人はかなりの傲慢ものです。特に朝日新聞は記者をはじめとして傲慢者ぞろいです。

 特に最後の   ・・・・・・・歩行者の立場からすれば、気軽に事故を起こされても困るし、いざというときに賠償の備えもないのではさらに困るのだ。なかには、「そんなにめんどくさいのなら自転車に乗らない」という選択をする人もいるだろうが、それでいいと思う。自転車という本質的にリスクを内包する乗り物がもたらす利便性は、そのコストを払った者に対して与えられるべきものだ。・・・・

それから、  「中途半端な存在を許さない」という心の狭さ。この思考のプロセスは、日本人の感覚ではありませんね。

ワイドショーのコメンテータの域を出ていませんね。

こうなったら、絶対自転車を買ってやろうと、決心がつきました。

投稿: いとう | 2011年8月 5日 (金) 09時25分

>いとう さん
こうした記者以外の記事でも、自社(系)の媒体に載せる以上は記事の審査をしていると思うのですが、機能していないのでしょうか(笑)。
「朝日」の記者の方に直接お目にかかったことはないのですが、日本有数の大メディアともなれば、個性的な方も大勢らっしゃるのでしょうね、きっと。なんともはや(笑)。

投稿: Mario | 2011年8月 5日 (金) 18時57分

まりおさん
一昨日近所の自転車屋さんに行って、GIOSのFURBOという自転車を注文しました。2012年モデルになるので9月にならないと入荷しないとのことでした。タイヤは23が付いているのですが、お店で25にただで交換してくれるとのことでした。相談に乗っていただきありがとうございました。

投稿: いとう | 2011年8月15日 (月) 09時46分

>いとう さん
あまり大したお話が出来ませんでしたが、ご参考になればとても嬉しいです。
Gios FURBOをWEBで見ましたが、細身のクロモリ、いいですねー。
実は、僕も最初にロードバイクを買うときにGiosも候補の一台でした。
Giosの綺麗なブルーは、青空のもとのツーリングに映えるでしょうね。

投稿: Mario | 2011年8月19日 (金) 09時14分

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