ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団演奏会へ(2011.11.07)
地元の西京銀行と、西京銀行がスポンサーの西京教育文化振興財団、それに周南市文化振興財団が主催者となり、年に一度開催される「西京コンサー ト」。今年の第20回西京コンサートは、ギャルドを迎えてのコンサートとなりました。この厳しい経済状況の下ではスポンサーの銀行も何かと大変でしょう が、平成3年からずっと開催されてきた関係者の方々に敬意を表したいと思います。これからも、こうした素敵なコンサートを、どうぞよろしくお願いします。
1曲目は、バーンスタインの「キャンディード」序曲。落ち着いたテンポ、表現。ところどころほころびが聴こえたように思うのは、曲がそう書かれてい たからでしょう。ユーフォニウムではなくサクソルンを使う団体なんて日本では滅多にお目にかかれないのですし、他の楽団では決して聴くことのできないサウ ンドと流麗な表現に聴き入って、そんなちっちゃいことは気にするな・・・、と某芸人さんならおっしゃることでしょう。
2曲目以降は、ハチャトゥリアン。「仮面舞踏会」からの抜粋は、去年の西京コンサートでキエフのオーケストラも演奏しました。浅田さんのおかげで、
随分と認知度が上がった曲ですね。昨日のこともよく覚えていない僕が、去年の演奏と比べて聴くなんてできませんので、目の前の柔らかでよくブレンドされた
管楽器の音に身をゆだねるだけ。
その後は、パーカッションの石川直氏を迎えてバレエ音楽「ガイーヌ」から剣の舞とレスギンカ。指揮者の横にスネア類を並び終え、いざ石川氏の演奏。独自のアレンジで、見せ、聴かせ、聴衆を魅了。ロールの一歩手前でも一つ一つの打点をコントロールしていることに、唖然。
20分しっかり休憩した後は、ラヴェルの2曲。
「ダフニスとクロエ」第二組曲は、今日もっとも楽しみにしていた曲。吹奏楽コンクールでは制
限時間の関係でその一部が抜粋で演奏されますが、やはり全体を通して聴いてみたいものです。デュポンのアレンジはギャルドの編成を想定して書いているから
でしょうが、全く違和感のない響き。この演奏が聴けただけでも、この演奏会に来てよかったと思いました。
その後、指揮者の横にスネア類を並べ、再び石川氏登場。確かにスネアはこの曲の一つの大きな鍵ですが、指揮者の横に来ると正直、違和感も。今日は
ギャルドのメンバーのソロを聴きに来たつもりですし・・・。しかし、最初の最弱音での開始から安定したスネアは、やはりこれだけでも見ものの一つと再確認。複数のスネアを使い分けていましたが、一つだけでも十分だったかもと思わせるくらい表現力豊かなスネアに、改めて驚愕。
トロンボーンの人がソロの後、セカンドの人と顔を見合わせていたのは、上手く行ったから、それとも?僕は、フランスのトロンボーンらしい明るい響きに、さすがギャルドのトロンボーンだと感心しましたけどね。
フルートをはじめとする他のソリストも素晴らしソロ、ブラヴォーです!
主旋律を多くの管楽器がソロで受け渡す曲なので、こうした管楽器だけの編成でも違和感ありません。ラヴェルも聴いたと言われるデュポンの編曲に、脱帽です。
石川氏のアンコールは、金属製の特殊なバチでのスネアのリムを叩くもの。スネアは、こうした奏法専用のもの?このアンコールは、この日の演奏会のもう一つのクライマックスだったでしょうか。ただただ、魅入るだけ。世の中には、凄い人がいるものです。
ギャルドのコンサートではアンコールもしっかりありますので、この日も何を演奏してくれるか楽しみでしたが、熊蜂の飛行、アルルの女からメヌエット、カルメンから第一幕への前奏曲と、期待にたがわず。
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