コンサートへ
10月20日は、周南市文化会館でキエフ国立フィルハーモニーのコンサート。オーケストラのコンサートは、一体何年ぶりでしょう。
1曲目はハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」組曲から、3曲の抜粋。浅田真央選手が「ワルツ」を使ったことで、一躍有名になった曲ですね。
ちょっとひねりの利いた、最近人気が出てきたアミューズ。
2曲目は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲。
「仮面舞踏会」では1stヴァイオリンが6プルトと大きな編成でしたが、チャイコフスキーでは4プルトと編成を小さくしたうえで、アリスさんを待ちます。大音量で押さえつけるような演奏はしないということですね。
ブルーのドレスを身にまとったアリスさんが登場するや、その美しさで一瞬にして場内を華やかな雰囲気に変え、丁寧に表情を付けつつも情熱的な演奏で聴衆を魅了しました。
天は二物を人に与えることもある好例。
アンコールでは、ショパンの別れのワルツ。情感豊かな演奏が、これまた絶品。今度は協奏曲ではなく、リサイタルを是非聴いてみたいと思いました。
休憩を挟んで、本日のメイン・ディッシュはラヴェル編曲のムソルグスキーの「展覧会の絵」。
来日公演のプログラムによると、周南だけの曲目のようでした。
「キエフの大きな門」をキエフのオーケストラの演奏で聴くことは日本では滅多にない機会なので、いい話のネタになる?
余談はさておき、冒頭のプロムナードでは、少し太めの音色のトランペットに昔日のロシア(系)オケの残照を感じなかった訳ではありませんが、弦楽器をベースにした音作りで、勢いで押すことのない演奏に僕は好感を持ちました。豪放磊落な演奏を期待した方には、ちょと不満足だったかもしれませんけれど…。
演奏に細かな傷も散見されましたし、「ヴィドロ」のトロンボーン奏者が持ち替えてのユーフォニウムのソロでは、聴いている方にも奏者の緊張が伝わってくるような場面もありましたが、生演奏なのですからこれくらいは気にしないこととします。
(気持ちだけは現役の)チューバ吹きとしては、チューバの温かみのある太い音に聴き惚れてしまいました。こうした低音に支えられると、他の金管奏者も気持ち良く演奏できるでしょうね。
盛大な拍手に応えて、アンコールを2曲。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」と「金平糖の精の踊り」。柔らかな音色のホルンのアンサンブルが素晴らしい!重厚なメイン料理の後の、軽やかな風味のデザート。(メインよりも美味佳絶だったかも?)
終演後、ロビーでアリスさんと指揮者のニコライ・ジャジューラさんのサイン会がありました。ミーハーな僕は、サインを待つ列に並んだことは言うまでもありません。
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