二重性
ショスタコーヴィチがとり上げられていた、7月23日のNHK-BShiのプレミアム8「ロシア 心の闇(後編) 亀山郁夫が読む革命の芸術家たち」。
交響曲第5番のフィナーレで何度も登場する「A D E F(#)」が、カルメンのハバネラで「気をつけろ(信じるな)」という合いの手の引用であって、コーダでひたすら続くAが昔のロシア語で「私」という意味があるということと結びつければ、「私は信じてはいない」というメッセージになるということ。
交響曲第5番は、社会主義リアリズムを体現した音楽として、ソ連の体制側からも賞賛された音楽だというのに。
何ともショスタコーヴィチらしいひねくれた、もとい深みのあるメッセージが伝わってきます。
高校生の頃に読んだソロモン・ヴォルコフの「ショスタコーヴィチの証言」という本では、5番のフィナーレは「強制された歓喜」と記されていたように思いますが、この本は偽書ということになっていますけれども、いずれにしてもこのフィナーレは単純な勝利の歓呼という訳ではないという結論に持っていけば、当時のショスタコーヴィチが置かれた困難な立場というものが理解できます。
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コメント
突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/russian/
もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/russian/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
kLMCvtL5
投稿: sirube | 2009年7月25日 (土) 08時43分
>sirubeさん
はじめまして。
僕はキリル文字を全く理解しておらず、ロシア語についてご期待に添えるような記事を掲載する事はできないとは思いますが、今後ともよろしくお願いします。
投稿: Ciclistamario | 2009年7月26日 (日) 11時50分