始まりがあれば終わりもあります
倉敷の高校に通うようになってから、岡山市の城下の禁酒会館にあったクラシックCD・レコード専門店のアンダンテには、年に何度かお邪魔していました。
あの頃は確か、グラムフォンの国内版のCDが3,500円はしていたでしょうか。
アンダンテでは、同じCDの輸入版でも3,000円を下回る値段で買う事ができたので、倉敷から岡山までの電車賃がかかっても割が合ったのです。
大学に入ってからも、帰省するときは途中下車をして、お城の下まで帰省の荷物をしょって歩いて買いに行ったものです。
珍しく23日は岡山に出張だったので、何年かぶりにアンダンテに行ってみました。
しかし・・・、そこにアンダンテはありませんでした。
アンダンテが入っていた禁酒会館自体はありましたが、アンダンテがあった場所は喫茶店になっていました。
アンダンテがあったからこそ、出会えた音楽がたくさんありました。
生意気にも高校生や大学生の僕が演奏についての講釈をしても、お店の方はニコニコと聞いて下さりました。
この店に出会っていなければ、僕が聴いている音楽はきっと違ったものだったと思います。
キーボードを打っては消し、消しては打ちましたが、どうしても今の感情を適当な言葉に置き換える事はできません。
まあ、たまにはちょっと感傷的になってもいいでしょう。
ということで、この日は岡山で独り酒。
GX100
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コメント
とても雰囲気のある建物ですね 若い(いまも充分お若いですが)Ciclistamario さんがかよわれていたレコード屋はすでになく喫茶店にかわっていたとか マリオさんのブログを読んで 私も学生時代 はじめてJazzを聴いたお店をおもいだしました。何年か前に訪ねてみたら閉店していて建物自体がきえてました。あのひげのマスターはどこにいかれたのでしょうか マリオさんとおなじくすこしセンチな気持ち(秋ですね) 熱いコーヒー飲みながら若い日のことをなつかしく想いだしています キャノンボール・アダレイ「SOMETHIN’ELSEこんなときにぴったり 名曲「枯葉」も入っています。
投稿: M | 2007年10月24日 (水) 09時23分
>Mさん
建物までもがなくなっていると、寂しさも募りますね。
僕の場合は建物が残っていただけ、まだいいほうですね。
お勧めの「SOMETHIN'ELSE」は持っていないので、近いうちに手に入れてみたいと思います。
それにしても、このアルバムのメンバーの豪華なこと・・・。
投稿: Ciclistamario | 2007年10月24日 (水) 18時19分
はじめまして。
私もアンダンテの常連でした。
あの空間だけは、時が止まったようでしたね。
数は置いていないけれど、通を唸らせるようなものがそっと置いてある、いいお店でした。
あのお店が閉店した後、服屋さんが入っていましたが、いつの間にかカフェになっていました。
投稿: 通行人A | 2008年10月 3日 (金) 08時01分
>通行人Aさん
はじめまして。
このたびは、コメントをありがとうございました。
大型量販店とは違い、お店の方との会話の中で色々なCDを選んでいく楽しさがあったように思います。
僕もここでメジャーレーベルが扱っていない作曲家や演奏者のCDを、たくさん紹介していただきました。
10代から20代にかけての思い出にぽっかり穴が開いてしまったようで、柄にもなく感傷的になってしまいました。
投稿: Ciclistamario | 2008年10月 3日 (金) 18時17分
初めまして、枝松と申します。
アンダンテの記事をWeb上に取りあげて頂き、常連だった私も感激です。
クラシック専門店としてスタートをきったアンダンテは、出店前に多くの人から「必ず失敗するから〜」と再三の忠告を受けたと話されていたことを思い出します。その結果、中四国で類を見ない店となったのですが。商品知識以上の音楽に対する愛情が感じられる店でした。
実は、アンダンテを構想した人は、椅子の専門店として今は、禁酒会館近くの県庁通りに「椅子の専門店+α」を出されています。しかし、椅子の仕事も、託せる後継者が見つかったため、お店にはもう顔を出しておられないようですが。しかし、岡山のこられた時にはぜひお立寄を。いい話が聞けると思います。
また、最近クラシック専門店が岡山に開店しました。「アルテゾーロ・クラシカ」といいます。ここも審美眼の深い方が開店されたものです。機会があればぜひお立ち寄りを。別の意味で、あのころの感覚が蘇ると思います。Web上で検索できます。
投稿: 枝松 和彦 | 2010年11月 3日 (水) 23時09分
>枝松 和彦さん
お返事が遅くなり、失礼しました。
はじめまして。コメントを、どうもありがとうございます。
アンダンテの出店の経緯について興味深く拝見しました。
小さいながらも(だからこそ)、大手レーベルのレコードやCDを並べるだけではなく、マイナーレーベルから選ばれたディスクが目を引くお店でした。
「アルテゾーロ・クラシカ」は、岡山に帰った時には立ち寄りたいと思います。
ホームページも見ましたが、店主の方の思いが伝わってきました。
ご紹介いただき、ありがとうございました。
「椅子の専門店+α」にもお邪魔して、色々とお話を伺う事ができればと思います。
この度は貴重なお話しを、どうもありがとうございました。
投稿: Mario | 2010年11月 6日 (土) 10時06分