2024.08.25(日) ひろしまオペラルネッサンス アステールプラザ 14時開演
ジャコモ・プッチーニ:歌劇《修道女アンジェリカ》全1幕
〈原語(イタリア語)上演/日本語字幕付〉
ジャコモ・プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》全1幕
〈原語(イタリア語)上演/日本語字幕付〉
芸術監督・演出:岩田達宗
指揮:川瀬賢太郎
管弦楽:広島交響楽団
合唱:ひろしまオペラルネッサンス合唱団、NHK広島児童合唱団
《修道女アンジェリカ》
アンジェリカ:田坂蘭子
公爵夫人:八木寿子
女子修道院長:大賀真理子
修道女長:森園あや
修練長:新家華織
修道女ジェノヴィエッファ:川手響
修道女オズミーナ:中野綾
修道女ドルチーナ:荒尾公美子
医務係の修道女:山下裕子
托鉢係の修道女A:網永悠里
托鉢係の修道女B:須藤歩希
修練女:小坂有理亜
助修女A:本村聡子
助修女B:吉川秋穂
修道女:大城薫、片山孝恵、久保幸代、重本ゆうき、平岩蘭、藤原晴珠、山持真美
《ジャンニ・スキッキ》
ジャンニ・スキッキ:安東玄人
ラウレッタ:原田幸子
ズィータ:佐々木有紀
リヌッチョ:中島康博
ゲラルド:難波孝
ネッラ:柳清美
ゲラルディーノ:重本ゆうき
ベット:飯塚学
シモーネ:安田旺司
マルコ:山本徹也
ラ・チェスカ:浦池佑佳
スピネッロッチョ:山岸玲音
アマンティオ:山岸玲音
ピネッリーノ:一大輔
グッチョ:森本誠
「ジャンニ・スキッキ」、「修道女アンジェリカ」ともに、舞台背景はベックリンの「死の島」がモチーフ。
演出の岩田さん曰く、「死者の記憶を守り、悼み、祈るために描かれた名画が、現代の広島で舞台上によみがえる。79年前にここで亡くなった方々を忘れないでほしい、同時に、新しい人が広島に集まってほしいという願いを込めている。舞台を通じ、大切な人のことを思い出してほしい。」(中国新聞8月16日WEB版)。
開幕前に出演者が舞台設営を始める趣向は、一興。特に、ジャンニ・スキッキではリヌッチョが一人舞台に残って継ぎ目なく始まり、こうした演出もありだと思った。
会場はアステールプラザ大ホール。ここは響きが非常にデッドで、以前に2階席最前列でディスカバリーシリーズを聴いた時は、音の響きが期待したものよりも薄かったこともあり、音を堪能するためにはできるだけ前方席が良いのではと判断。
前から5列目の席を確保して、実際に席についみると少々舞台に近すぎたかもと思ったが、正解。声、オケともに明瞭で音量も問題なし。
バランスの悪さを危惧したけれど、声とオケのバランスは良好に感じた。
川瀬マエストロの指揮は、細やかで明瞭。ヴェリズモ系との親和性が高いかも。コンサートでもオペラでも、また、聴いてみたいと思った指揮者。
広響は充実した響き。深いオケピットは、声とのバランスをとった結果なのか。
歌手では、ジャンニ・スキッキ、アンジェリカともにブラヴォー。外題役以外も、ラウレッタ、リヌッチョ、公爵夫人、ジェノヴィエッファ、オズミーナ、ドルチーナにも賛辞を。
「修道女アンジェリカ」、自死の決心から救済までは、もう少し演出がセリフを補って心の揺れを表現できていたら良かったかも。歌唱は素晴らしい。カーテンコール前、アンジェリカと幼子が並んで立っている姿に、2人の魂の救済を見る。
20分休憩。ロビーでは、オペラの舞台となったイタリアのワインが提供されていた。ノン・アルコールのスパークリングワインがあり、車での来場者にとっては嬉しい一杯。
「ジャンニ・スキッキ」では、字幕の一部が広島弁。自分は、肯定的に受け止める。
幕切れ前、演者が集まり、ジャンニ・スキッキが会場に問いかけるシーンは、良いアイデア。あえてフライング拍手を誘い、それがいい雰囲気に。
場を和ませるためのアドリブ的なシーンがあったけれど、少々品がなかったかも。そんなことをしなくても、客席は十分に温まっていたと感じた。
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